将来治療費2-将来手術費-

将来治療費の続きです。

将来の治療費として、将来の手術費が問題となることがあります。

症状固定となったものの、将来の歯科治療が必要不可欠な場合や人工骨頭置換術の再手術が確実に見込まれる場合、プレートを入れたままの事案において、プレート除去が将来確実に必要な場合等には、将来の手術費用が認められる例があります。

こういった将来手術費を請求するためには、それが必ず将来必要になることを医学的に証明していく必要があります。また、費用としていくらかかるのかを、具体的に示す必要があります。こういった証明をし、証拠を示すには、医師・医療機関の協力が不可欠です。加害者側の保険会社が納得できるようなもの、裁判に至っている場合には、裁判官が必要不可欠であると確信できる証拠を示さなければなりません。

将来治療費

交通事故の賠償の対象となる治療費は、原則として、治癒まで、あるいは症状固定までの治療費に限られます。

症状固定とは、それ以上治療してもあまり変化がなく、症状に改善がない状態を言います。

ほとんどの後遺障害の場合、症状固定後の治療費を加害者側に請求することは困難です。

しかし、重度の後遺障害が残存しているような事案において、生命維持のため、症状維持のために、治療を継続することが必要不可欠の場合には、将来治療費として、治療費が認められることがあります。

どのような場合に将来治療費が認められるかについては、一概には言えません。交通事故被害者の残存した個別具体的な症状・状態・環境等により様々ですが、例えば、遷延性意識障害により、生命維持のために継続的な医師による診察、治療が必要な場合や、脊髄損傷により、日常生活動作を維持するために継続的な在宅治療が必要な場合等は、将来治療費が認められる例があります。

将来治療費が問題となるような事案については、交通事故を専門的に扱う弁護士に相談すべきです。