名古屋で交通事故を扱う弁護士です。
交通事故に遭って弁護士を探す際、できる限り交通事故に専門性を有し、経験豊富な弁護士に依頼したいと思われる方が多いと思います。
そのような中、実績数というのは、気になるのではないでしょうか。
様々な法律事務所のホームページ等で、様々な実績が掲載されています。
ただ、根拠としている数字は、事務所によってかなり異なるので、比較する際は気をつけましょう。単純に数字で比較する場合も、その数字はその事務所への問い合わせのあった件数なのか、法律相談をした件数なのか、受任した件数なのか、解決した件数なのか、そもそも、交通事故に限った件数なのか、人身事故のみの件数なのか等、何の件数なのかを確認した上で比較しなければなりません。
そして、どの件数も、単純に数だけで専門性を見極めるのは難しいと考えた方が良いと思います。
たとえば、同じ1000件という数字、極論ですが、弁護士が100人いる事務所であれば、弁護士1人あたり、たった10件の経験です。他方、1人の事務所ならば、弁護士1人で1000件経験していることになります。50年続く事務所なら、1年あたり20件の経験ですし、創設5年目なら、1年あたり200件取り組んでいることになります。これだけでも、単純比較が難しいことが分かります。
そして、法律事務所は人数の増減が頻繁で、かつ、長年続いている事務所もあります。たとえば、昔弁護士が多かった時代にたくさん扱っていたのであれば、件数は多いでしょうが、彼らが全員辞めている場合、今いるメンバーは詳しくないかもしれません。実績数は、今のその事務所の弁護士の専門性を必ずしも反映したものではない場合もありそうです。
実績数、掲載している事務所は多いです。そして、その数字、さすがに虚偽であることはないと思うので、参考になるとは思います。ただ、数字の大きさのみで比較するのは、上記のとおり、お勧めできません。
数字は、その事務所が、交通事故を専門として扱っているかというレベルよりは一段落ちて、交通事故の経験があるかないかを判断するレベルで、参考にされるのが良いと思います。
以上、交通事故を扱う法律事務所の実績数に関するお話でした。